何とかなるさ!

経理屋→IRへ挑戦中。2児の父。ポジティブ人間。勝ったもん勝ち!

MFクラウド会計を半年間使ってみた感想

現在、私が働いている会社では会計システムとしてMFクラウド会計を利用しています。転職前は2社ともPCにインストールするタイプのものを使っていたので、クラウド会計に興味は持っていたのですが、利用する機会はありませんでした。運良く(?)実際に半年ほどIPO準備企業にて使っているので、使用感についてレポートします。ちょっと気になってくけど、実際に導入するまでのモチベーションではないな、という方、参考にしてください。

 

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■背景情報 

2019年5月現在の現職に関しては、①子会社・関連会社はなく単体のみ、②事業セグメントは単一セグメント、③部門別PL有り、④人数規模は50名程度、⑤損益規模は非開示、⑥経理は管理1名とスタッフ2名、という状況です。

また、私が過去に使ったことがある会計ソフトは弥生会計大蔵大臣です。弥生会計(プロフェッショナル)を、転職後に大蔵大臣(NX Super Lanpac5ユーザー)を使っていまた。両方とも社内のサーバーにインストールして、複数ユーザーが共同で使えていました。大蔵大臣は最初は弥生会計とのインターフェースの差に戸惑いましたが、慣れればそれなりに使いやソフトだったな、今になって思います。下記の中で弥生会計や大蔵大臣について記載があるときは上記の版を指すととします。

 

■契約形態

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現職ではビジネスプランを年額で契約しています。会社によっては機能制限があるスモールビジネスでもなんとかなるかもしれませんが、会社がスケールしてくことを考えると部門拡張1つとってもビジネスのほうが良いでしょう。また、上記プランにはマネーフォワードが提供する請求書、経費等の他のサービスも紐づきますが、利用サービスによって従量費用が発生する点は注意が必要です。

また、他社との比較という面では、年額約6万円(税抜)です。弥生家計のソフト購入代金と10万円+保守(セルフプラン)5万5,000円、大蔵大臣のソフト購入90万円+保守3万円よりも安価になります。ただし、弥生会計は初年度割引もホームページで行っているので、数年使えば価格面では大差なくなります。大蔵大臣はソフト代金が大きいですね。(その分、今のMFクラウド会計にない機能があったりはするのですが。)

 

■MFクラウド会計を実際に使ってみた使用感

メリット

・自社サーバーメンテナンスの必要がない。

自社サーバー上にソフトウェアをインストールして運用する場合は、サーバーのメンテナンスが必要になりますが、クラウド会計では一切必要ありません。社外でデータを責任もって保管してくれているというのは、有事の際に大きいポイントのような気がしています。

 

・ソフトウェアアップデートの必要がない。

クラウドソフトなので、当然といえば当然なのですが、バージョンアップはサービス提供側が行ってくれるので、個別のソフトウェアアップデートの確認などは必要ありません。ただ、今のところないのですが、既存インターフェースや機能の改変があった際に、その適用選択権はユーザーに持たせくれると嬉しいですね。(googleなんかはgmailの機能改変の際にそういうことをしてくれる。)

 

・サポートが早い。

日中、チャットサポートが提供されています。電話問い合わせでも良いのですが、メッセージを送ると間もなく応答していただけるので、ながら作業が捗ります。電話の順番待ちとか、サービス提供側の情報家訓待ちとかが苦になる方には、非常に良いサービスです。

 

・口座連携が便利。

銀行のネットバンクとAPI連携で、口座の入出金情報取得および仕訳作成機能が利用できます。 仕訳は相手科目や部門を選択して取り込む、取り込まないの取捨選択ができます。一度全ての資金移動を取り込んでから個別仕訳の修正を行う、という業務フローにより口座残高の不一致をなくすことが可能です。

 

デメリット

・仕訳の承認→ロックの機能がない
上場を目指す企業の経理としては、過去に入力された仕訳が何かしらの理由で改変されてしまう可能性が残ることは内部統制上の課題となります。ですがMFクラウド会計には仕訳の承認→編集ロックという機能がありません。仕訳の印刷→責任者の確認印押印という業務フローとすることで、監査法人には了解してもらってますがシステム上で承認/ロック機能が早く実装されることを願います。(タグ機能がありますが、あくまでもラベル付けの用途のみとなります)

 
・科目設定/部門の設定は複数会計期間で共通となっている。
これは決算終わって、当期のデータを作成して気づいたことですが、勘定科目(補助科目)や部門の会計期間毎の設定が出来ない仕様となっています(2019年5月現在)。サポートに確認したので間違いはありません。なので、過去の会計データの仕訳を維持しようとすると、現時点で使わなくなった科目・部門もずっと未使用で保持しておく必要があります。これは、頻繁に組織構造が変わったり、売上の集計方法が変わったりするベンチャーでは、正直キツイ仕様だと感じてます。部門別集計のCSV出力した時はひたすら0が並ぶ未使用部門の列が出てきます。BS、PLは会計期間内の残高、仕訳が発生しなければ表示されませんが、未使用の科目が、仕訳の選択時に選ばれ得るとうのは若干気持悪いです。この点も何とか改善してもらいたい点です。


・データのバックアップを手作業でやる必要がある。
現在、データのバックアップは上席が毎週末、会計データの出力をして自社サーバーに保管するという作業を行っています。これは、決められたスケジュールで、決められたファイル名のルールで、自動ファイル出力をしてくれると大変助かるなと感じた点です。

 
・補助科目明細が補助科目毎に一括出力できない。
監査法人から「補助科目明細を下さい」と依頼があって、いざCSV出力してみると
すべての補助科目が1枚のシートで出てきました。全ての補助科目で期初残高の表示がなく、1仕訳目から表示されます。これは、個人的な要求かもしれませんが、期初残を表示して、補助科目毎にシートを分けられると良いと思っています。(これ、他の方はどう感じるのか興味があります。)

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以上、現状感じているMFクラウド会計の利用間ですが、請求書の機能は未活用なので少し落ち着いたら試してみたいところです。また何かあれば追記していくようにします。

 

 

経理メンバーを募集:ご自身でも、お知り合いでもお待ちしております!

会社公式でも採用サイトを通じて募集をかけておりますが
人事担当任せというのも今どき冴えないので、この場でも掲載したいと思います。 

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■会社概要 

会社の具体名は念のため伏せさせていただきますが、設立されてまだ数年、人数は50名程度、平均年齢は30代ですが20代の部長も活躍する実力主義の会社です。業種はIT系で近年ブームのAI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)に関わるSaaS事業をしています。自社プロダクトを持っている点が、その他多くのAI企業と差別化される点かと考えてます。目標時期は書けませんが、IPO :株式公開も目指しています。

 ■経理部門について

現在は、執行役員兼管理部長1名、経理スタッフ2名(一人は私です)の体制で業務を回しています。複雑な仕訳はありませんが、ここ数カ月の販売件数急拡大に並行して事務処理量が膨れ上がって、月初の請求処理/収益計上が厳しくなってきています。もう少し時間が取れれば効率化策をとれるのですが、この時期は年度決算の処理に時間を取られて十分に進められていないのが実情です。ベンチャーらしく(?)、販売取引についても定形外のケースが散見され、管理・把握が大変です。

経理のもう1名は、ルーチンの仕訳は入れられるのですが、ここ最近新しく処理が加わった手続きは、共有しきれていないので、それらはまだ単独ではできません。月次、年次を任せるにはもう少し時間がかかると思います。(経理としてはまだこれからですが、社内のコミュニケーションの取り方がすごく上手い人です)

今回採用を考えている経理ポジションは私ともう1名の中間に入って仕訳をガリガリ入れてもらうとともに、一緒に経理回りの業務の標準化を進められると良いなと考えてます。現在の商材が変わらないとして、どれだけ取引が増えても、この2~3名で対応できるようにしたいです。(という個人的な思いがあります)


■年収・勤務地・休日・その他

想定年収:450万円~500万円(正社員。賞与はなく、年額を12分割した金額が月給となります。月給については、45時間分の見なし残業を含みますが、45時間未満でも減額はありません。また45時間を超えた分の残業代は追加支給されます。)

経験年数:管理担当役員の意向で、3年程度の一般法人勤務経験があることが望ましいです。

実績査定:3カ月に1回行われています。

事務所:東京、渋谷駅から徒歩数分(事業拡大等の理由で数年後に引越しの可能性はあります。多分、都内だとは思います。

勤務時間:9時~18時(定時)

休日:基本的に暦通りです。


■望まれるスキルセット/人柄


日商簿記2級以上を取得

→必須ではありませんが、経理で食べていこうと思っておられるのであれば最低限取得しておくことをお勧めします。

 

上場企業での経験が2年以上

→年間・月次の業務スケジュールの経験は大事だと思っています。現在までの雇用形態・ポジションは重要視していません今何ができるか、今後何がしたいかが大事だと思ってます。

 

社内のルールを理解し、他部門と建設的な議論ができる人
→ルールはこうなのでダメです"キリっ"。っと問い合わせに対して突き放すのではなく、どうしてそういう要望なのか確認して、妥協策や迂回策を探せるような人が望ましいです。 


■採用フロー

  1. 興味がありましたらプロフィール欄記載のアドレスへメールください。(twitterのDMでも大丈夫です)
  2. 担当者面談(私):事前に簡単で良いので、社歴とスキルセットをメールでお送りください。会社会議室、又は近場のカフェでざっくばらんにお話ししましょう。(採用とは別に経理の知り合いも出来ると嬉しいなと考えてます。)(事務所の場合は人事担当も参加する可能性があります。)
  3. 人事、管理部長面談:事前に(履歴書(電子データ可)をお送りいただくことになると思います)
  4. 役員面談
  5. 意志、条件確認/内定

 

不明な点があったらプロフィール欄記載のアドレスやコメント、もしくはtwitterアカウントのDMへ気軽に問い合わせください。

それでは!

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公開:2019年5月16日(最終改定:5月24日)

宜しくお願いします!

アクセスありがとうございます。

この投稿は自己紹介としたいと思います。

 

WEB上では最近はアマノと名乗ってます。自称、天邪鬼なことが由来です。36歳、男性、渋谷のベンチャー企業IPO申請期)で経理を生業にしています。ですが、大学生時代は経理とは全く縁のないはずの生物系大学院のの出身で、世間一般では珍しい博士課程(博士後期課程)を修めていて一応は博士号持ちの人間です。

大学では微生物(藻)を研究していました。温かい季節になってくると、川辺に繁殖しだす緑のあいつらです。生物としてかなり単純であるのですが、熱いとか寒いとか、環境刺激に反応して生き延びようとします。その応答の最初のステップとなる、刺激を感じ取るための仕組を調べてました。詳細は省略しますが、実験では生き物の遺伝物質であるDNAとか細胞を構成するタンパク質とかを弄り倒して、仮設が正しいことを想像しながらニヤニヤしてた人間です。

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研究対象といしていた藻の写真(wikipedia藍藻より

 

大学や民間法人の研究所に行かなかった理由

能力が足りなかったからです。というのは半分本当で半分は謙遜。少なくても学振DC2やPDに採択されて、数年間は好きな先生のところでポストを探せる、という上澄み人間ではありませんでした。学生時代に結婚をした妻の職場の都合上、遠方の勤務地は選択できません。必然的に、限られた採用枠に大量の研究者の応募が集まる大学での職という選択肢は視野から外れていきました。では、企業の研究部門?ってなるかもしれませんが、上の方で書いた産業利用とは程遠い内容を研究している人間が採用されるほど、民間企業の枠も甘くはありません。いろいろ思うところはありますが、民間で専門外のことをやることになっても、研究活動をしてきた中で身に着けてきた考える力とか、議論する力はきっと役に立つはず、という思考から民間法人での働き口を探すことにしました。

 

 経歴

・1社目:科学技術の社会実装を行うベンチャーL社

現在も事業を拡大しているデキル人たちが集まる会社に、インターンシップを経て採用いただきました。大枠の部門は組織されているものの、バックオフィス以外は全員が全部のことが出来るように、という会社方針のもと、営業先の開拓→営業→企画提案→受注→納品→アフターフォロー→次の提案、といった形で企画提案事業を経験を積みました。しかし、メンターポジションの方が取締役に、「あいつは何もできない」とこされてしまう程度に私は落ちこぼれでした。処遇に困ったのでしょう。急遽欠員がでた経理ポジションに挑戦してみないかと、声をかけてもらい始めた経理業務が、今も続いている仕事になります。こちらでは主計を2年程、取締役会での経営報告資料の作成等を経験しました。

ちなみに経理業務を引き継いでくださった派遣の女性の方も優秀で、1年半ほど前にお会いした時はマザーズ上場他社の課長となられていました。学歴、経歴関係なく、優秀な人はいるものだかと感じたのが印象に残ってます。

 

・2社目:学校教育現場にICT導入事業を行うC社

L社での経理業務は肌に合っていて続けたかったところではあったのですが、家庭に子どもが生まれて、妻から所得アップのプレッシャーがきつくのしかかった結果、C社に転職しました。業務は前職と同様の経理・財務領域です。

事業規模がL社から倍程度であったこともあり、所属先の経理・財務課はチーム経理を行っていました。業務上のヒューマンエラーを極力少なくするために機械的に処理できるようにITを組んだ業務フローが構築されていました。上司となった方は、対人折衝能力が抜群に高く、知識・経験が不足がちであった私を戦力レベルとなるようにうまくマネジメントしてくれました。幸運にも、所属1年後に、東証ジャスダック市場でIPOすることができました。その後2年に渡り、経理業務の他、予算作成・予実管理・内部監査・子会社監査役監査法人対応・税理士対応・四半期決算・年次決算・キャッシュフロー計算書作成・連結決算・部員マネジメント・株主総会開催・子会社経理等を経験しました。

 

・3社目(現職)働き方改革をサポートする人口知能関連企業A社

 C社は良くも悪くも組織や個の役割がしっかりしていました。3年間の在籍の間、私は優秀な上司の部下であり、それ以上になることが出来ませんでした。ぼちぼちの評価、障壁となりそうな事柄は上司が事前に対処してくれている、という一見恵まれた環境の中、今後の自分はこのままで良いのか、と疑問もを持ちました。それから、外で揉まれて成長しようと思ったのがこの転職のきっかけです。

A社に決めたのは、上司となる方が面接時に接しやすかったこと、会社の雰囲気が良く見えたこと、IPOを目指して活動していること、C社での経験が生きるIT企業であること、が大きなポイントでした。入社してそろそろ半年ですが、成長著しく、それこそ凄い勢いで業務が増えていっています。メンバースキルや業務フローの確立が後手後手になりがちといった問題はあるものの、楽しく仕事ができています。手を出していきたい領域の一つはIRで、開示資料のトライアル作成を始めました。

 

今後やりたいこと:IR全般、税務申告、海外経理、メンバー採用、メンバースキルアップ、内部監査、Microsoft Access活用、GoogleAppsScript活用、業務フロー改善

 

その他私生活

地元は愛知県西尾市で現在は埼玉県さいたま市在住。建売戸建てを3年前に購入。妻は栃木生まれで小学校の先生。しっかり者。ただし、計画通りに物事が進まないとイライラしがちで、その点は私と結構合わない。 

 

この場でやりたいこと

・学んだことのまとめの場としての活用

経理業務に興味がある人・携わっている人との交流

・博士号取得者や博士課程在籍経験者で民間就職しているような方と意見交換 

 

何かあれば、気軽にコメントいただければ嬉しいです。

宜しくお願いします!

 

 

株主総会の知識(1)

ベンチャーと上場企業で管理部門業務を続けて早くて6年くらい。もう36歳になりました。いよいよ潰しが利かない年代の人間になってきたなと感じます。

今、会社で経理やIRの人員の採用をかけています。ささやかな実務経験しか取り柄のない身としては、サービスサイトに登録している人を見ると、それなりの資格・資格を持っていている人が目につき、『自分は負けてるな。。。。』劣等感を抱く次第。だからどうだって話ですが。

改めて勉強がてら、まとめノート的にこの場を使っていこうと思います。

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今時期は3月決算の大部分の手続きが完了し、次の大きなイベントは株主総会の準備と開催となっています。対応株主総会って会社に所属していれば毎年行われる行事なのですが、改めて考えると「株主総会」について持っている知識ってそんなに無いな。。。。って思いました。

 

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株主総会の開催

一般的に、株式会社は定時株主総会を毎事業年度終了後の総会基準日から3カ月以内に開催します。総会基準日は必ずしも前事業年度の末日ではないようです。

では総会基準日は何で定められているかというと、どうやら定款のようです(後で自社のを確認しよう)。

 

株主総会の準備

 後で追記します。

 

株主総会の決議事項

 株主総会と言えば決議です。といえば簡単ですが、決議する議案の内容によって必要な株主の出席者数と賛成数が異なり、普通決議特別決議特殊決議、の3種の定めが存在します。

下記の決議事項を見るに大抵の場合は、普通決議と特別決議の条件で決議は可能ということと把握しました。

 

①普通決議

<原則>

定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(定足数自体を排除している会社が一般的

必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の過半数の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。

 

決議事項

  1. 自己株式の取得
  2. 取締役・監査役・会計参与の報酬等の決定
  3. 調査者の選任
  4. 総会の延期・続行
  5. 取締役・監査役・会計参与の責任軽減決議後の退職慰労金等の支払
  6. 計算書類の承認
  7. 剰余金の処分
  8. 剰余金の配当
  9. 資本金の額の増加
  10. 資本金の額の減少(定時株主総会・欠損額以内)
  11. 準備金の額の減少・増加
  12. 会計監査人の選任又は解任
  13. 会計監査人の総会出席要求

<特則>

定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の1以上)

必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の過半数の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、過半数以上)

決議事項

  1. 取締役・監査役・会計参与の選任又は解任(監査役を除く)
  2. 補欠取締役・監査役・会計参与の予選
  3. 支配権の異動が伴う募集株式の割当て
  4. 支配権の異動が伴う募集新株予約権の割当て

 

②特別決議

定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の1以上)

必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の3分の2以上の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の2以上)

決議事項

  1. 譲渡制限株式の譲渡不承認の場合の会社による買受
  2. 特定株主からの自己株式取得
  3. 全部取得条項付種類株式の取得
  4. 相続人等に対する売渡請求
  5. 株式の併合
  6. 公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定及び公開会社における募集株式の有利発行等に係る事項の決定
  7. 公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定の委任
  8. 定款の定めがない場合に株主に割当てを受ける権利を与えてする公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定
  9. 募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当て
  10. 総額引受けの募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当て
  11. 公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定及び公開会社における有利発行に係る募集事項の決定
  12. 公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定の委任
  13. 定款の定めがない場合に株主に割当てを受ける権利を与えてする公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定
  14. 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合又は募集新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合の募集新株予約権の割当て
  15. 総額引受けの募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合又は募集新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合の募集新株予約権の割当て
  16.  監査等委員である取締役、監査役、累積投票によって選任された取締役(監査等委員である取締役を除く)の解任
  17. 総会の決議による役員等の対会社責任の一部免除
  18. 資本金の額の減少
  19. 株主に対し金銭分配請求権を与えないこととする場合の現物配当
  20. 定款の変更
  21. 事業の譲渡等
  22. 解散
  23. 会社の継続
  24. 合併契約承認
  25. 吸収分割契約の承認
  26. 新設分割計画の承認
  27. 株式交換契約の承認
  28. 株式移転計画の承認

 

③特殊決議

<原則>

定足数:規程無し。

必要賛成数:(原則)①議決権を行使することができる株主の半数以上(人数)が賛成。②①の株主の議決権の3分の2以上にあたる多数の賛成。(例外)①定款に別段の定めがある場合。(ただし、株主の半数以上)。②定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の2以上)。

 

決議事項

  1. 全部の株式につき譲渡制限をする旨の定款変更
  2. 吸収合併により消滅する会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式である場合の合併契約又は株式交換契約の承認
  3. 新設合併により消滅する会社又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式である場合の合併契約又は株式移転契約の承認

<特則>

定足数:規程無し。

必要賛成数:(原則)①総株主の半数以上(人数)が賛成。②総株主の議決権の4分の3以上にあたる多数の賛成。(例外)①定款に別段の定めがある場合。(ただし、総株主の半数以上)。②定款に別段の定めがある場合。(ただし、4分の3以上)。

 

決議事項

  1. 公開会社でない株式会社が、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会における議決権につき、株主ごとに異なる取扱いを定める新設・変更の定款変更(廃止する場合を除く)

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(2019.5.9初稿) 

博士課程の就職活動ってどうなってんの?ってやっぱり良く分からないよね。--なので少し書いてみました。

先日、twitterで博士課程で研究されている方を彼氏にもつ方から質問を受けました。

  1. 卒業するのは何歳ごろか
  2. 大学の先生以外の道について
  3. 就活がはじまるのはいつか

それまで博士について縁の無かったかたにとってはよく分からない世界かと思いますのでちょっとした背景を交えてこちらでも書いてみます。

博士過程と一言で言っても大学によっては「博士前期課程」と「博士後期課程」と表記がある場合があるので誤解が生じることがあります。「博士前期課程」は「修士課程」と同じで、「博士後期課程」が多くの方がイメージされる博士号を取得するための課程となります。twitterでの質問は後期課程についてのものでした。この文章では後期課程のことを博士課程として進めます。また私は理系なので、文系については状況が違う点もあるのはご理解ください。

  

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卒業するのは何歳ごろか

結論から入ると寄り道がなかったとして27歳です。大学の入学が18歳、そこから学部生4年間、修士課程2年間、博士課程3年間、を休学や留年なく終えると27歳での卒業となります。ただこれは一般例です。大学によっては学部期間を3年で終えることが出来るところもありますし、博士課程も2年で終えることができるところも有ります。なので優秀でかつ「運がよい」方は25歳で博士号を持つことも可能なはずです。

どこの大学にそのような制度があるのか気になるかたは「大学 早期卒業」、「大学 早期修了」などの検索で探してみて下さい。

ただ博士課程3年間と書きましたが、3年で終わらないことも往々にしてあるので注意が必要です。多くの博士課程では第三者期間に研究内容を認めてもらう=論文を発表することが修了要件になっています。研究の実施結果が予想と違うことが頻発すると論文の発表段階で審査が長期化する可能性があります。

博士課程は最長5年間在籍することが可能ですが、その期間内に卒業要件を満たせないと、博士号は取得できずに「博士課程単位取得退学」という経歴での卒業となります。(少し前に日銀人事の件でニュースになりましたが、書き方によっては学歴詐称と指摘されるので注意が必要です)

 

大学の先生以外の道について

大学や公的期間の研究所に残らない=民間就職or企業、ということになりますよね。というと少し短絡的すぎるので、大学の先生以外で公的期間への携わり方についても書いてみます。

リサーチアドミニストレーター(URA)

国内の大学では予算の削減圧力とともに定年教員の補充もされない場合があるなどで、先生方の業務量は徐々に増えていってる状況です。その中で業務上の負担を減らし、分野を横断した科学技術政策への提言を行えるような専門職員の採用を大学が行なっています。直接的に研究や実験ができる立場ではありませんが、博士号取得者として科学技術に貢献し、様々な方と議論できる立場として魅力的な業務ではあると思います。

 

弁理士(技術移転機関、TLO)

言わずと知れた(?)士業の一つです。国内外で技術の産業利用を行う上で特許権の取得は大事なポイントとなっています。大学では大学の研究成果を民間企業へ受け渡すための技術移転機関(TLO)が設置されており、そちらでの業務できる可能性があります。私の修士課程時代の先輩も弁理士となるべる特許庁で働くことを選択していました。それなりに勉強も必要となりますが、大学の研究成果と産業を結びつけることに興味があるかたには良い選択となり得ます。詳しくは調べていませんが、修士課程・博士課程共に修了者には試験の免除があるようなので、活用しない手はないです。(授業の履修内容にいくらか要件があるようなので、学部から修士に進学するときにポイントは抑えてておいた方が良いです)

 

次に民間企業への就職についてです。

これについては専門分野の状況格差が大きくて一般論は言い難い問題です。工学系・情報系・化学系については引く手はあるのでそんなに心配はいらないでしょう。ただ、文系、生物系は逆に厳しいです。というのも大学での研究内容をそのまま活かそうとした場合、その受け皿となりうる活動をおこなっている企業が極端に少ない(又は無い)ためです。なので、「この◯◯年間の研究知識を無駄ししたくない」と考える文系・生物系の人は苦労する覚悟を決めて活動をすることをオススメします。

逆に専門にこだわらなければ、"ちょっと歳がいった"学部生・修士生のようなものだと思っています。まあこの"ちょっと歳がいった"という点が日本ではキツイのですが、そこは割りきっていくしかありません。『博士号をとってまで、何故うちに?』という採用担当者の疑問に対して納得を得られる回答ができれば、行き場が無いという事態は避けられるはずです。

そして一度働き出してしまえば、そこに楽しみ方を見つけて、何とか続けていくことは可能です。こんなこと書くのも癪なのですが、今の情勢ではどんな会社でも良いので、まずは正規雇用されて業務経験を積むべきかと思います。今は転職するのも普通ですし、後の身の振り方は働きながら探せばいいです。

 

就活が始まるのはいつか

これは個別ケースも多いはずなので難しい内容ですが、企業就職=学部生・修士の学生と同じ時期、大学の研究職=卒業年度の2月頃くらいの認識です。

民間就職で問題となるのが、博士号が取得できるかどうかという問題です。私の場合も、8月頃から活動を初めて内々定は頂いていたのですが、結局卒業できそうだと決まったのが卒業年の2月頃でした。内定をいただいた企業はもし、3月卒業できなくても、修了まで待っていただけるということだったので精神的に良かったのですが、問題となる可能性もあるので、企業のかたとは十分に状況について情報交換しておく必要があるかと思います。

大学で研究を選択される場合も行き先が決まるのはギリギリになることが多いと思います。理由は上記と同じで博士号の取得できるか出来ないか判断できるのが年度末付近になるためです。研究員に応募するにしても時間がないので、空きのある大学を探し、応募すると現在の住まいから遠方の勤務地になることもザラです。無期雇用の大学研究者として採用されるために、業績を出し続けなければならず、それまでは転勤が続くことも覚悟しないといけません。加えて『運』も大切な要素となります。

 

今の御時世、何を選択するにしても簡単なことはありませんが、学部卒・修士卒で就職することに比べ、博士卒の就職は規定路線のようなものがありません。私もそうでしたが、手探りで進めている方が多いのではないでしょうか。

とりあえず思いつくままに書きなぐりましたが(うまくまとまっていなくて申し訳ない)、博士についてはいろいろ書き溜めて整理していこうと思います。

(2016.7.10)

 

 

経理の心得:経理って会社の中でも立場が上ですよね?って、そんなことは一切無い

昨日は大学時代の友人、転職活動が終わり有給消化でぷらぷらしてるS君とこの4月に転職したばかりのK君と何年かぶりに飲みに行った。

 

みんな転職していた

転職理由を聞いてみたらSは「何となく。。。」と言ってた。何だかんだで8年間務めたけどこれから特に業務内容が変わるわけでもなく、語弊があるかもしれないけど飽きた、ってことだった。

 

Kは職場環境要素が大きかったみたい。隣の席の人とも口頭ではなくメールでやり取りする風土で居心地は悪かったって。転職して楽しさ100倍、給料は0.8倍、奥さんは不満もってる、って茶化してたけど、言うとおりに楽しく過ごしているようだった。年功的な要素が強くて、上司に怒鳴られたりするけど、上司はそのまた上司に同じように怒鳴られてるって笑ってた。

 

組織に入って時間が経過すると、いろいろ不満が出てきたり、将来の考えて悲観するようになったりするんだろうね。それなりに規模が大きくて、何かを変えるのに大きな力が必要で、自分にはそれが出来ないとなると、我慢して過ごすか新しい環境を求めざるを得ないし。

 

自分も転職組だし、今になって思うのは、1社目の会社のルールや習慣が全てでは無いのを知る意味で1回ぐらいは転職・転社した方が良いのではないかとは思うのです。

 

経理って会社の中でも立場が上ですよね?

私が大学時代の専攻とは全く違う畑で仕事をしてることを知ってる二人ですが、Sから「経理って何か申請が間違ってたら、直してくださいって指示くるし、いろいろ提出物の期日決めたりしてるし、会社の中でも立場が上ですよね?」って言われました。

 

自論ですが、経理が偉いなんてことは無い、と断言します。

 

そんな意識でで仕事をしてる同僚がいたら、議論して考えを改めさせたいくらいです。むしろ意識としては、組織の最下層にいるくらいで丁度いいくらいじゃないでしょうか。実際は必要以上に卑下することはないけれど、経理は費用部門であることは間違いなくて、他の部署の方々の働きがあるからこそ成り立つ仕事なわけで。それを意識せずに、「自分たちがいろいろ管理してるから経営数値がまとまってるんだ、だから伝えた期日にものを出しなさい」とか「期限過ぎてるんだから早くしてくださいよ!」、なんて強い態度で言ったら、他部門からの反発が生まれることは必至でしょう。

 

お忙しい中すみませんが、協力をお願いします。

 

って頭を下げながらお願いすれば大抵聞き入れてもらえます。

 

経理がいるから他部署が実務に集中できるわけでもあるので、心の中ではフラットな立ち位置の気でいても良いとは思います。ただ、表面的には絶対に上からの物言いをしない、というのはうまく立ち回り、業務を進める上で必要だと思います。

 

もし何か他部署との関係がうまくいってないなあ、なんて思うことがあったらそのやり取りを振り返ってどうしたら良いか考えてみるのがよいのではないでしょうか。

 

ということで、今日は経理の姿勢論でした。

(2016.6.18)