30代、専門外の経理屋はどこまで戦えるのか

日々、実務能力の向上に苦心してます。2児の父なので家族のことも多目です

企業と監査法人の関係性について思うこと

こんにちわ。天邪鬼のアマノです。

勤め先が監査法人に会計や内部統制について監査業務を委託しています。それで今日は実務上で前々から感じていることについて書いてみます。内容はタイトルの通りです。

 

1. 監査委託の本来の趣旨

2. 実際の業務上のやりとり

3. 監査依頼側と監査実施側はどうあるべきか

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1. 監査委託の本来の趣旨

会計監査(かいけいかんさ、英語:financial audit、auditing)とは、企業公益団体および行政機関等の会計決算)に関して、一定の独立性を有する組織が監査と最終的な承認を行うことである。なお、会計検査院による国等の行政機関等に対する監査を特に会計検査と呼ぶ

経営者や執行権者は、その業務や会計など一定の報告を委任者(株主や公民権者)に対して行うのが一般的である。報告内容に虚偽の表示があった場合、受託者の能力を委任者が正当に判断することができなくなる。そのため一定の独立性を有した個人や組織が、その内容に虚偽の表示等がない(または一定程度に少ない)ことを確認する作業を監査という。そのうち特に会計に対する監査のことを会計監査(会計検査)と呼ぶ。(wikipediaより)

会計監査については『企業が外部に公表する会社の経営状況(財務諸表)が虚偽無く、適正に作成されているかどうかを、専門知識を有する公認会計士が調査をします』という認識です。自社以外の第三者による監査が必要なので、企業は監査法人に監査業務を委託します。監査を受けると「この経理処理はこうこうあるべきだと思うんですよね。(=処理を変更して下さいね)」という指摘が入って、企業としてはより適切な報告が出来るようになるわけです。

ただこの時点で企業=依頼主、監査法人=請負側の関係が生じていることを忘れてはいけません。

 

2. 実際の業務上のやりとり

会計監査の過程では様々な証憑を監査法人に提出して、会計処理の適正性を検証していただくことになります。ただし短い期間で決算手続きを済ませ、開示書類を作成する都合上、一度企業側で確定させた会計数値を監査結果に従って変更することはスケジュール的に厳しいのが実際です。業務に十分な人数を割けている会社では大丈夫なのかもしれませんが、間接部門の人員は絞られていることも多いですからね。なので、通期決算で会計的重要性が大きい場合を除いては「次回決算以降での修正しましょうね」という対処も取られるケースもあるかと思います。このような形で、随時、そして徐々に会計面でも処理を適切にしていき、社内・社会に対する適正性を向上させていけるのが良い形です。

 

一方で昨年の東芝の問題の時に感じたことですが、前項で書いた依頼主と請負側という立場が悪く作用することが往々にしてありそうです。

この点はあくまでも推測ですが、あの不適切と言われている会計処理について、監査法人が気付かなかったとは思えません。国内でも最難関と言われる公認会計士試験をパスしている人たちでも気付けないほどに巧妙だったってことですか?まあ、可能性はそれなりには有りますかね。東芝レベルの大企業にもなると企業内会計士もいて、巧く取り繕っていたのかもしれませんし。ただやはり主従関係とまでは言わないにしても、依頼側と請負側という関係上、監査法人側がクリティカルな資料の提出を拒まれたり、見逃すように圧力をかけられて、の結果だと思うのが個人的な見解です。

仮に監査法人の立場で『契約を切るぞ』とプレッシャーをかけれれたら私だったらどう判断しただろうか。そんな空想で悩んでも仕方ないので考えませんが、実際その場面になったら相当悩むと思います。

 

直接契約をしている都合上でパワーバランスは生じてしまいます。それが原因でいざというときに監査法人側は本来行うべき業務がしにくくなっている、ということもありそうです。

 

3. 監査依頼側と監査実施側はどうあるべきか

どうして東京証券取引所はその仲介にならないのだろう、ということを感じています。最近で言うとAppBankやフィット、少し前ではgumiと言った新規上場企業や、東芝オリンパスみたいな老舗大企業でも粉飾や横領のような問題が起きるのは証券や監査法人と企業が直接契約することで、審査側の機能不全が起きているからだと思うんです。その間に東証が入ることによって企業と審査機関の間に利害関係が無くなって、審査側が言いたいことを言えるようになるのにどうしてだろう、と。

 

企業→→→(監査業務委託)→→→東証→→→(監査業務再委託)→→→監査法人

 

別件になるんですけど、前舛添都知事が経費使用用途について「第三者に検証をお願いする」と言って自分で弁護士を選定しているの問題は変わらない気がするんですよね。あれも、様々な場所で第三者として機能していないって指摘がされていましたし。

 

いち企業の末端社員がどうこう言っても仕方のない問題ですが、会計監査の本来の目的は『社会に対して適正な公表がなされること』であるので「これまではこうだったから」とか「他国がそうしてるから」とか関係なく、頭の良い人達が上手い仕組みを常に考えていて欲しいと思った次第です。

(2016.7.2)