株主総会の知識(1)
ベンチャーと上場企業で管理部門業務を続けて早くて6年くらい。もう36歳になりました。いよいよ潰しが利かない年代の人間になってきたなと感じます。
今、会社で経理やIRの人員の採用をかけています。ささやかな実務経験しか取り柄のない身としては、サービスサイトに登録している人を見ると、それなりの資格・資格を持っていている人が目につき、『自分は負けてるな。。。。』劣等感を抱く次第。だからどうだって話ですが。
改めて勉強がてら、まとめノート的にこの場を使っていこうと思います。
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今時期は3月決算の大部分の手続きが完了し、次の大きなイベントは株主総会の準備と開催となっています。対応株主総会って会社に所属していれば毎年行われる行事なのですが、改めて考えると「株主総会」について持っている知識ってそんなに無いな。。。。って思いました。
■株主総会の開催
一般的に、株式会社は定時株主総会を毎事業年度終了後の総会基準日から3カ月以内に開催します。総会基準日は必ずしも前事業年度の末日ではないようです。
では総会基準日は何で定められているかというと、どうやら定款のようです(後で自社のを確認しよう)。
■株主総会の準備
後で追記します。
■株主総会の決議事項
株主総会と言えば決議です。といえば簡単ですが、決議する議案の内容によって必要な株主の出席者数と賛成数が異なり、普通決議、特別決議、特殊決議、の3種の定めが存在します。
下記の決議事項を見るに大抵の場合は、普通決議と特別決議の条件で決議は可能ということと把握しました。
①普通決議
<原則>
定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(定足数自体を排除している会社が一般的)
必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の過半数の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。
決議事項
- 自己株式の取得
- 取締役・監査役・会計参与の報酬等の決定
- 調査者の選任
- 総会の延期・続行
- 取締役・監査役・会計参与の責任軽減決議後の退職慰労金等の支払
- 計算書類の承認
- 剰余金の処分
- 剰余金の配当
- 資本金の額の増加
- 資本金の額の減少(定時株主総会・欠損額以内)
- 準備金の額の減少・増加
- 会計監査人の選任又は解任
- 会計監査人の総会出席要求
<特則>
定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の1以上)
必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の過半数の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、過半数以上)
決議事項
②特別決議
定足数:(原則)議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の1以上)
必要賛成数:(原則)出席した当該株主の議決権の3分の2以上の賛成。(例外)定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の2以上)
決議事項
- 譲渡制限株式の譲渡不承認の場合の会社による買受
- 特定株主からの自己株式取得
- 全部取得条項付種類株式の取得
- 相続人等に対する売渡請求
- 株式の併合
- 公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定及び公開会社における募集株式の有利発行等に係る事項の決定
- 公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定の委任
- 定款の定めがない場合に株主に割当てを受ける権利を与えてする公開会社以外の会社における募集株式の発行等に係る事項の決定
- 募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当て
- 総額引受けの募集株式が譲渡制限株式である場合の募集株式の割当て
- 公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定及び公開会社における有利発行に係る募集事項の決定
- 公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定の委任
- 定款の定めがない場合に株主に割当てを受ける権利を与えてする公開会社以外の会社における新株予約権の募集事項の決定
- 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合又は募集新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合の募集新株予約権の割当て
- 総額引受けの募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合又は募集新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合の募集新株予約権の割当て
- 監査等委員である取締役、監査役、累積投票によって選任された取締役(監査等委員である取締役を除く)の解任
- 総会の決議による役員等の対会社責任の一部免除
- 資本金の額の減少
- 株主に対し金銭分配請求権を与えないこととする場合の現物配当
- 定款の変更
- 事業の譲渡等
- 解散
- 会社の継続
- 合併契約承認
- 吸収分割契約の承認
- 新設分割計画の承認
- 株式交換契約の承認
- 株式移転計画の承認
③特殊決議
<原則>
定足数:規程無し。
必要賛成数:(原則)①議決権を行使することができる株主の半数以上(人数)が賛成。②①の株主の議決権の3分の2以上にあたる多数の賛成。(例外)①定款に別段の定めがある場合。(ただし、株主の半数以上)。②定款に別段の定めがある場合。(ただし、3分の2以上)。
決議事項
- 全部の株式につき譲渡制限をする旨の定款変更
- 吸収合併により消滅する会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式である場合の合併契約又は株式交換契約の承認
- 新設合併により消滅する会社又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式である場合の合併契約又は株式移転契約の承認
<特則>
定足数:規程無し。
必要賛成数:(原則)①総株主の半数以上(人数)が賛成。②総株主の議決権の4分の3以上にあたる多数の賛成。(例外)①定款に別段の定めがある場合。(ただし、総株主の半数以上)。②定款に別段の定めがある場合。(ただし、4分の3以上)。
決議事項
- 公開会社でない株式会社が、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会における議決権につき、株主ごとに異なる取扱いを定める新設・変更の定款変更(廃止する場合を除く)
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(2019.5.9初稿)