30代、専門外の経理屋はどこまで戦えるのか

日々、実務能力の向上に苦心してます。2児の父なので家族のことも多目です

博士課程の就職活動ってどうなってんの?ってやっぱり良く分からないよね。--なので少し書いてみました。

先日、twitterで博士課程で研究されている方を彼氏にもつ方から質問を受けました。

  1. 卒業するのは何歳ごろか
  2. 大学の先生以外の道について
  3. 就活がはじまるのはいつか

それまで博士について縁の無かったかたにとってはよく分からない世界かと思いますのでちょっとした背景を交えてこちらでも書いてみます。

博士過程と一言で言っても大学によっては「博士前期課程」と「博士後期課程」と表記がある場合があるので誤解が生じることがあります。「博士前期課程」は「修士課程」と同じで、「博士後期課程」が多くの方がイメージされる博士号を取得するための課程となります。twitterでの質問は後期課程についてのものでした。この文章では後期課程のことを博士課程として進めます。また私は理系なので、文系については状況が違う点もあるのはご理解ください。

  

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卒業するのは何歳ごろか

結論から入ると寄り道がなかったとして27歳です。大学の入学が18歳、そこから学部生4年間、修士課程2年間、博士課程3年間、を休学や留年なく終えると27歳での卒業となります。ただこれは一般例です。大学によっては学部期間を3年で終えることが出来るところもありますし、博士課程も2年で終えることができるところも有ります。なので優秀でかつ「運がよい」方は25歳で博士号を持つことも可能なはずです。

どこの大学にそのような制度があるのか気になるかたは「大学 早期卒業」、「大学 早期修了」などの検索で探してみて下さい。

ただ博士課程3年間と書きましたが、3年で終わらないことも往々にしてあるので注意が必要です。多くの博士課程では第三者期間に研究内容を認めてもらう=論文を発表することが修了要件になっています。研究の実施結果が予想と違うことが頻発すると論文の発表段階で審査が長期化する可能性があります。

博士課程は最長5年間在籍することが可能ですが、その期間内に卒業要件を満たせないと、博士号は取得できずに「博士課程単位取得退学」という経歴での卒業となります。(少し前に日銀人事の件でニュースになりましたが、書き方によっては学歴詐称と指摘されるので注意が必要です)

 

大学の先生以外の道について

大学や公的期間の研究所に残らない=民間就職or企業、ということになりますよね。というと少し短絡的すぎるので、大学の先生以外で公的期間への携わり方についても書いてみます。

リサーチアドミニストレーター(URA)

国内の大学では予算の削減圧力とともに定年教員の補充もされない場合があるなどで、先生方の業務量は徐々に増えていってる状況です。その中で業務上の負担を減らし、分野を横断した科学技術政策への提言を行えるような専門職員の採用を大学が行なっています。直接的に研究や実験ができる立場ではありませんが、博士号取得者として科学技術に貢献し、様々な方と議論できる立場として魅力的な業務ではあると思います。

 

弁理士(技術移転機関、TLO)

言わずと知れた(?)士業の一つです。国内外で技術の産業利用を行う上で特許権の取得は大事なポイントとなっています。大学では大学の研究成果を民間企業へ受け渡すための技術移転機関(TLO)が設置されており、そちらでの業務できる可能性があります。私の修士課程時代の先輩も弁理士となるべる特許庁で働くことを選択していました。それなりに勉強も必要となりますが、大学の研究成果と産業を結びつけることに興味があるかたには良い選択となり得ます。詳しくは調べていませんが、修士課程・博士課程共に修了者には試験の免除があるようなので、活用しない手はないです。(授業の履修内容にいくらか要件があるようなので、学部から修士に進学するときにポイントは抑えてておいた方が良いです)

 

次に民間企業への就職についてです。

これについては専門分野の状況格差が大きくて一般論は言い難い問題です。工学系・情報系・化学系については引く手はあるのでそんなに心配はいらないでしょう。ただ、文系、生物系は逆に厳しいです。というのも大学での研究内容をそのまま活かそうとした場合、その受け皿となりうる活動をおこなっている企業が極端に少ない(又は無い)ためです。なので、「この◯◯年間の研究知識を無駄ししたくない」と考える文系・生物系の人は苦労する覚悟を決めて活動をすることをオススメします。

逆に専門にこだわらなければ、"ちょっと歳がいった"学部生・修士生のようなものだと思っています。まあこの"ちょっと歳がいった"という点が日本ではキツイのですが、そこは割りきっていくしかありません。『博士号をとってまで、何故うちに?』という採用担当者の疑問に対して納得を得られる回答ができれば、行き場が無いという事態は避けられるはずです。

そして一度働き出してしまえば、そこに楽しみ方を見つけて、何とか続けていくことは可能です。こんなこと書くのも癪なのですが、今の情勢ではどんな会社でも良いので、まずは正規雇用されて業務経験を積むべきかと思います。今は転職するのも普通ですし、後の身の振り方は働きながら探せばいいです。

 

就活が始まるのはいつか

これは個別ケースも多いはずなので難しい内容ですが、企業就職=学部生・修士の学生と同じ時期、大学の研究職=卒業年度の2月頃くらいの認識です。

民間就職で問題となるのが、博士号が取得できるかどうかという問題です。私の場合も、8月頃から活動を初めて内々定は頂いていたのですが、結局卒業できそうだと決まったのが卒業年の2月頃でした。内定をいただいた企業はもし、3月卒業できなくても、修了まで待っていただけるということだったので精神的に良かったのですが、問題となる可能性もあるので、企業のかたとは十分に状況について情報交換しておく必要があるかと思います。

大学で研究を選択される場合も行き先が決まるのはギリギリになることが多いと思います。理由は上記と同じで博士号の取得できるか出来ないか判断できるのが年度末付近になるためです。研究員に応募するにしても時間がないので、空きのある大学を探し、応募すると現在の住まいから遠方の勤務地になることもザラです。無期雇用の大学研究者として採用されるために、業績を出し続けなければならず、それまでは転勤が続くことも覚悟しないといけません。加えて『運』も大切な要素となります。

 

今の御時世、何を選択するにしても簡単なことはありませんが、学部卒・修士卒で就職することに比べ、博士卒の就職は規定路線のようなものがありません。私もそうでしたが、手探りで進めている方が多いのではないでしょうか。

とりあえず思いつくままに書きなぐりましたが(うまくまとまっていなくて申し訳ない)、博士についてはいろいろ書き溜めて整理していこうと思います。

(2016.7.10)