何とかなるさ!

経理屋→IRへ挑戦中。2児の父。ポジティブ人間。勝ったもん勝ち!

MFクラウド会計を半年間使ってみた感想

現在、私が働いている会社では会計システムとしてMFクラウド会計を利用しています。転職前は2社ともPCにインストールするタイプのものを使っていたので、クラウド会計に興味は持っていたのですが、利用する機会はありませんでした。運良く(?)実際に半年ほどIPO準備企業にて使っているので、使用感についてレポートします。ちょっと気になってくけど、実際に導入するまでのモチベーションではないな、という方、参考にしてください。

 

f:id:terrask:20190522073151p:plain

 

■背景情報 

2019年5月現在の現職に関しては、①子会社・関連会社はなく単体のみ、②事業セグメントは単一セグメント、③部門別PL有り、④人数規模は50名程度、⑤損益規模は非開示、⑥経理は管理1名とスタッフ2名、という状況です。

また、私が過去に使ったことがある会計ソフトは弥生会計大蔵大臣です。弥生会計(プロフェッショナル)を、転職後に大蔵大臣(NX Super Lanpac5ユーザー)を使っていまた。両方とも社内のサーバーにインストールして、複数ユーザーが共同で使えていました。大蔵大臣は最初は弥生会計とのインターフェースの差に戸惑いましたが、慣れればそれなりに使いやソフトだったな、今になって思います。下記の中で弥生会計や大蔵大臣について記載があるときは上記の版を指すととします。

 

■契約形態

f:id:terrask:20190521012046p:plain

現職ではビジネスプランを年額で契約しています。会社によっては機能制限があるスモールビジネスでもなんとかなるかもしれませんが、会社がスケールしてくことを考えると部門拡張1つとってもビジネスのほうが良いでしょう。また、上記プランにはマネーフォワードが提供する請求書、経費等の他のサービスも紐づきますが、利用サービスによって従量費用が発生する点は注意が必要です。

また、他社との比較という面では、年額約6万円(税抜)です。弥生家計のソフト購入代金と10万円+保守(セルフプラン)5万5,000円、大蔵大臣のソフト購入90万円+保守3万円よりも安価になります。ただし、弥生会計は初年度割引もホームページで行っているので、数年使えば価格面では大差なくなります。大蔵大臣はソフト代金が大きいですね。(その分、今のMFクラウド会計にない機能があったりはするのですが。)

 

■MFクラウド会計を実際に使ってみた使用感

メリット

・自社サーバーメンテナンスの必要がない。

自社サーバー上にソフトウェアをインストールして運用する場合は、サーバーのメンテナンスが必要になりますが、クラウド会計では一切必要ありません。社外でデータを責任もって保管してくれているというのは、有事の際に大きいポイントのような気がしています。

 

・ソフトウェアアップデートの必要がない。

クラウドソフトなので、当然といえば当然なのですが、バージョンアップはサービス提供側が行ってくれるので、個別のソフトウェアアップデートの確認などは必要ありません。ただ、今のところないのですが、既存インターフェースや機能の改変があった際に、その適用選択権はユーザーに持たせくれると嬉しいですね。(googleなんかはgmailの機能改変の際にそういうことをしてくれる。)

 

・サポートが早い。

日中、チャットサポートが提供されています。電話問い合わせでも良いのですが、メッセージを送ると間もなく応答していただけるので、ながら作業が捗ります。電話の順番待ちとか、サービス提供側の情報家訓待ちとかが苦になる方には、非常に良いサービスです。

 

・口座連携が便利。

銀行のネットバンクとAPI連携で、口座の入出金情報取得および仕訳作成機能が利用できます。 仕訳は相手科目や部門を選択して取り込む、取り込まないの取捨選択ができます。一度全ての資金移動を取り込んでから個別仕訳の修正を行う、という業務フローにより口座残高の不一致をなくすことが可能です。

 

デメリット

・仕訳の承認→ロックの機能がない
上場を目指す企業の経理としては、過去に入力された仕訳が何かしらの理由で改変されてしまう可能性が残ることは内部統制上の課題となります。ですがMFクラウド会計には仕訳の承認→編集ロックという機能がありません。仕訳の印刷→責任者の確認印押印という業務フローとすることで、監査法人には了解してもらってますがシステム上で承認/ロック機能が早く実装されることを願います。(タグ機能がありますが、あくまでもラベル付けの用途のみとなります)

 
・科目設定/部門の設定は複数会計期間で共通となっている。
これは決算終わって、当期のデータを作成して気づいたことですが、勘定科目(補助科目)や部門の会計期間毎の設定が出来ない仕様となっています(2019年5月現在)。サポートに確認したので間違いはありません。なので、過去の会計データの仕訳を維持しようとすると、現時点で使わなくなった科目・部門もずっと未使用で保持しておく必要があります。これは、頻繁に組織構造が変わったり、売上の集計方法が変わったりするベンチャーでは、正直キツイ仕様だと感じてます。部門別集計のCSV出力した時はひたすら0が並ぶ未使用部門の列が出てきます。BS、PLは会計期間内の残高、仕訳が発生しなければ表示されませんが、未使用の科目が、仕訳の選択時に選ばれ得るとうのは若干気持悪いです。この点も何とか改善してもらいたい点です。


・データのバックアップを手作業でやる必要がある。
現在、データのバックアップは上席が毎週末、会計データの出力をして自社サーバーに保管するという作業を行っています。これは、決められたスケジュールで、決められたファイル名のルールで、自動ファイル出力をしてくれると大変助かるなと感じた点です。

 
・補助科目明細が補助科目毎に一括出力できない。
監査法人から「補助科目明細を下さい」と依頼があって、いざCSV出力してみると
すべての補助科目が1枚のシートで出てきました。全ての補助科目で期初残高の表示がなく、1仕訳目から表示されます。これは、個人的な要求かもしれませんが、期初残を表示して、補助科目毎にシートを分けられると良いと思っています。(これ、他の方はどう感じるのか興味があります。)

 --

以上、現状感じているMFクラウド会計の利用間ですが、請求書の機能は未活用なので少し落ち着いたら試してみたいところです。また何かあれば追記していくようにします。